「ねえ、シキ」  
  「なんだい?」
「『Grave―グレイヴ―』ってなに?なんでうちの『グノー』は色んな効果を持ってるの?」  
  「すべてのブランドには効果があるんだよ。衣服業界は『魅了』と『美貌』を追加するし、食品には『健康』と『満腹感』を与えてくれる――」
  「だからうちの商品が『他者変身』や『肉体操作』を付与出来たところでおかしくないだろう?」
「そうかな~?シキの好みが盛り込まれてない?トランスとかマインド――」  
  「すべてはお客様のため。お客様のニーズに応えるためよ」
「ま~たシキはそうやって誤魔化すんだ~!」  
「いいよ、だったらぼくが直接調べてくるから」  
  「・・・・・・・・・」
  「さて、しばらく珈琲をいただくとするかな」

 ――グレイヴとはなに?