――グレイヴとはなに?
(フェルミのへや第五話『グノー“時計”』の説明と軌跡)
「グノーの商品、『時計』について解説をよろしくお願いします」 | ||
「単刀直入に言えば『時間停止』やな。The World!!」 | ||
「えっと、あの・・・ですよね~!」 | ||
「というわけで、『時間停止』は心をくすぐるメジャー商品や。支配人も愛してやまない商品いうことやね。『エムシー販売店』だけじゃなく、多くの企業が製品化を目指して覇権を争う販売激戦区や!」 | ||
「『時間停止』の商品化は企業が熾烈を極めていますからね。時間を制する者は・・・まさに!「世界を支配する」商品になるということ!」 | ||
「うちが・・・うちが!一番に商品化を完成させたんや」 | ||
「今はせいぜい時間停止できるのは6畳がせいいっぱいやな」 | ||
「えっ・・・思ったより狭くないです?」 | ||
「無茶いうなや。時間停止範囲を広げれば空間が歪むわ、頭が痛くなるわ大変なんや。保証するのはこの範囲や、これ以上の改造はうちも責任もてへんで」 | ||
「ダメですよ。もっと範囲を広げて町単位、いずれは全国を時間停止させてください」 | ||
「笑顔で恐ろしいこと言う。アンタ鬼やな!」 | ||
「時間停止だけじゃなくて、タイムリープも可能にしてください」 | ||
「タイムマシンみたいんか?夢を壊すようで悪いけど、過去に戻れるのはせいぜい5秒ほどだとうちは結論を出しとるわ」 | ||
「えっ、そうなんですか・・・」 | ||
「当たり前やろ。それ以上のタイムリープは修復不可能や。タイムパラドックスが発生してどう影響を与えるかわからなくなるやん。企業がそんな危ないもん売れるかい」 | ||
「むしろそれを楽しみにしてたのに~」 | ||
「営業がお客様に出来ますなんて適当なこと言うんやないで。商品で出来ることと出来ないことをしっかり把握して伝えられなきゃ、うちがまずアンタをしばいたるからな。覚悟しいや」 |
――魔道具NO,05『時計』
懐中時計式魔道具。
『時間を止められること』ができ、完全受注生産。シリアルナンバー入り。プレミアグッズ。
その範囲は決められるが、範囲内であれば停止を解除するまで永遠に時間が停止している。
最近の要望の傾向は停止を解除した後の反応が見たいという意見が多数とのこと。
一般向けとして『腕時計』デザインも販売している。
また、デザインは同じながら、時間を止めることはできず、思考を停止させる『時計』もある。