――グレイヴとはなに?
(フェルミのへや第六話『グノー“宝石”』の説明と軌跡)
「グノー商品の『宝石』について伺おうと思ったんですけど、当時は博士もこの商品が売れるとは思ってなかったんですよね?」 | ||
「真意がわからなくて『眼鏡』にしていたくらいやからな!『透視眼鏡』、『色眼鏡』、『伊達眼鏡』まで作ってようやく商品を応用したんや。実際はこの時から『宝石』の片鱗は見えていたわけやけどな!」 | ||
「今と全然違う使われ方をしていたわけか!」 | ||
「ぶっちゃけると『宝石』は催眠商品の一つや」 | ||
「あれ?催眠ってもうありませんでしたっけ?『電話』や『名刺』と同じということですか?」 | ||
「『電波』は洗脳―control―、『名刺』は認識誤認―change―、そして『宝石』は感情操作―hypnosis―ができる。似ているようで若干違う」 | ||
「この違いがでかいんやー!」 | ||
「で、でかいんですか・・・?ぼくには結果が同じだから、違いがよくわからないよ」 | ||
「過程を楽しまんかい!・・・まったく、結果だけで満足するのは消費者の特権。うちらは過程に面白さを追求して細分化し、高度な技術を確立していくことに夢馳せるべきやで!そこを楽しむんや!」 | ||
「そうなんですか、あはは・・・」 | ||
「進歩の果てに現在がある。うちらはそれを信念に掲げてきた。生きることは戦いそのもので、決して歩みを止めない前へ進む強さこそが――」 | ||
「いかん、これはうちが語る話じゃないな・・・」 | ||
「博士って、思いもよらずまともなんですね!」 | ||
「(・・・それは褒め言葉のつもりか?)」 | ||
「『宝石』に魅入られた相手はその持ち主に魅了されるんや。『宝石』の価値を高めるのは購入者の価値そのものやで!」 | ||
「先ほどから格好いいこと言っていたのは『宝石』の価値をあげていたわけですね!わかりま――」 | ||
「ちゃうわ、ボケ!!」 |
――魔道具NO,06『水晶』
かつて紫水晶。その輝きに目を奪われた相手を洗脳することができる。その効力だけを取り入れた『レンズ』として広範囲催眠を残しており、『眼鏡』へと派生していったが、
思考変化の人気の高まりを受けて見事再復活を果たす。
思考変化に特化した商品。相手の意識ごと洗脳させるが、復活したのが最近のため、作品数が乏しい。