――グレイヴとはなに?

 

(フェルミのへや第七話『グノー“粘土”』の説明と軌跡)

「グノーの商品、『粘土』についてお聞きしてもよろしいですか?」
「そうやね。この商品にうちはすべてを注いだ」
「焼けるほどの熱い信念と執念で作り上げた一つの商品の完成系・・・。硬い『容器』にもなり、柔らかい『皮』ともなる。それが『粘土』や」
「んー?よくわからないけど・・・」
「なにを聞きたいかな?焼き加減か?レアとミディアムで『粘土』の質は変わるし使用用途も変わってくる。フィギュアにするか、等身大にするかで『粘土』の粘度を残さないかんしな」
「それです!つまり、『人形』となにが違うんです?」
「『人形』は強制操作に対して、『粘土』は精神感応とでもいうのかな。『粘土』で作ったフィギュアが受けた痛みを本人も伴う代物や」
「な、なんだって!?」
「それだけやない。例えば『フィギュア』が改造を受ければ同期した相手も相応の改造を受ける。肉体改造もし放題や」
「・・・いい!こういうのを待っていました、博士!」
「ちなみに粘土入りのクリームを作れば美容にもええで。まるで脱皮みたいに皮が剥がれて綺麗な肌が蘇ってくるんや。さらにその皮は誰でも被れるようにもなってるし、本人になりすますことだって可能やで」
「『皮』って本人の皮膚のリサイクルが出来るんですね!ぼくもサロンに通う大人のお姉さんの身体になってみたいな!」
「使い方は千差万別。形が決まっていないからこそ無限の可能性を持つ商品や」
「そのかわり、責任を背負ううちのストレスも群を抜いて強い商品やけどな」
「博士、いまなにか言いました?」
「なんでもあらへん」
「ようし、ぼくも頑張って『グノー』を売ってくぞー!」

――魔道具NO,07『粘土』

かつては『粘土』で他人の『皮』を作り出していた。

本人に直接接触し、『粘土』に包む方法を使っていたが、その危険度の高さから当社は試行錯誤を繰り返し、想像するだけで『像』を作り『器』を完成させた。

『器』と本人は繋がっており、感覚共有が可能である。

また、『粘土』で作った『皮』からは精神感応が可能である。